'98.2.21
 国家権力の荒稼ぎ! レッカー移動

 車泥棒!
 先日、VTの件で警察というものを見直した。というより、元々別に反感があったわけもないし、どちらかというと自分は警察官には従順であった。高校時代には将来警察官になろうと思っていた時期もある。「密着!警視庁24時!」とかいうテレビ番組などを見るたびに「大変な仕事だよなぁ」と感心して見ている。今でも基本的にはそうだ。しかし、私のある部分で、絶対に許せない権力組織としての警察を意識せざるを得ない事件がおきた。(それは少し仰々し過ぎる?)
公然と行われる車泥棒。違反金稼ぎ。駐車禁止のレッカー移動である。

 はじめに
 最初に言っておくが、駐車禁止の違反金(\15,000)は仕方がないと思っている。家の前に、土曜日の午前中、しかも1時間未満という事で、最初はそれもひどい!と思ったが、法律上しょうがない。運が悪かったで気持ちもおさまったかも知れない。
猛烈に腹が立つのはレッカー移動代(\12,000)だ!!

 車がない
 2月21日。猫3匹を連れて動物病院へ。病気の予防接種。自宅に帰りついて10時30分ぐらいだったろうか。猫を部屋に入れる。そのまま車で出かける用事があったのが、少し休んでからにしようと思った。腹がへったのでレトルトカレーを食べた。さてそろそろ、駐車から1時間たつから出かけなきゃ。万が一、駐車違反という事もあるので。まあ休日の午前中だし、車通りも少ないし大丈夫だろう、と思って、マンションの上から通りを見てみると、車がない! やられた!!と思った。瞬間、激しい怒り!なんでこんなに車通りが少ない休日の午前中に、大して危険もないところに止めておいたのに! 1時間も経ってないじゃないか。城東警察に電話。

「レッカー移動された!」
「車種は?」「カローラだ!!いくらかかるんだ!」「違反金が\15,000のレッカー代が\12,000の・・・」「だから合計いくら持ってきゃいいんだ!!」

今考えても腹がたつ。私はもともと、腹がたつ事があった場合でも俗に言う「瞬間湯沸かし器」のようにカッとなることはない。ないと思っていた。しかしこの時は違った。

走って城東警察署へ。ムカムカしながら手続き。切られた切符は「30分間の駐車」。

「家の前にちょっと止めておいてすぐ出るつもりだった!!」「荷物の積み下ろしで5分以内と決まってますから」
バカヤロウ。タテマエで来やがったな。レッカー代払う時も担当のオヤジはニヤニヤしている。「向かいの有料駐車場に止めてありますから、この紙を渡して車を出してください。」

駐車場に紙を渡すと「2階の右側。」無愛想だ。
車に乗り込むと怒りのあまり急発進。ガタンガタンガタン!! なんだなんだ??
すると駐車場のおばちゃん慌てて上ってきて「タイヤがロックされてるから、これではずさなきゃ」バッカヤロー!!早く言え!!

 「警察官の主観的判断です」
 その後も腹の虫が収まらない私は翌日城東警察に電話。

「駐車違反代はわかるがレッカー代とは何なんだ」「レッカー移動と普通の駐車違反だけとは何が違うんだ」などと質問。

「危険度の高い順にレッカー移動されます」との答え。話している途中にまたむかついてきたので「全然納得できない!!」と大声をあげ電話を切った。

数日後、ココロを落ち着けて再度電話。

「危険度の高い、というのはどういう基準で判断されるんですか?」
自分の車はそんなに危険な駐車じゃなかったじゃないか、というところが一番引っかかっている私はそこを突っ込んだ。他人の駐車場をふさいでいたとか、その車がある事によって見通しが悪くなって危険であるとかならわかる。しかし自分のはそうではなかったと確信している。

その質問の返答は「基準はありません」。

「基準が無いって言ったって、こっちは大金払っているんだからそんないい加減なことじゃ困る。誰がレッカー移動するかどうか決めるのか」「取り締まりをやっている警察官です」

「じゃあ、その警察官の主観的なによって我々は大金を払わねばならないのか」「そうです」

 ”今日は警告だけにしとくか” ”ノルマ達成のためにそろそろやるか”そんな金稼ぎのホンネは確固としたタテマエに守られている訳である。

「レッカーの代金は何処にはいるのか」「それはこちらではわからない」

「金を取っておいてどこに行くのかわからないとはどういうことだ」「ならば交通安全協会に聞いてくれ」

最初からそう言えよ!

交通安全協会に電話。さんざん「あっちにかけてくれ」「ここは担当が違うから向こうだ」などとタライまわしされた後、ようやく分かる部署にたどり着いた。

「レッカー移動代金が何に使われるのか教えて欲しい」「オタクは誰?」
「一市民です」

そこの総務部長さんは比較的丁寧に教えてくれた。要は警察の依頼により安全協会が発動してレッカー移動をする、レッカー代はその人件費とか交通安全協会運営上のいろいろな経費にあてられる、その計算については、経理のほうでやっているのでここでは良く分からない・・・。別にそこまで追いかけて行くつもりもなかったのでそこまでにした。

国家権力の構造。ホンネとタテマエ。タライまわしによる対象の曖昧化。

最初に言ったように、警察に対して絶対の反感を持っているわけではない。VT盗難の時にお世話になったおまわりさんなど、とても感謝しているし、皆、良い方々だと思う。ただ、今回のレッカー移動により、またその言い訳、対応などにより、何か組織としての警察の裏側に暗いものを感じてしまったのである。