'97.7.27
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電気に負けた
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池袋のバンドメン
日曜日に家でごろり。これは私の最も嫌いなパターンである。いや、この表現は間違いだ。
日曜日は油断するとついつい家でゴロゴロしてしまう。これは私が最も自己嫌悪に陥る過ごし方である。
つまり、根はナマケモノであまりつらい事はやりたくないのだが、どうも最近人間がせこくなったのか
何かやらないと損かなとか思ってしまうのである。
この日も家で昼過ぎまでテレビを見てしまった。ああ伊良部打たれたんだ・・・。
ああ野茂は惜しかったなあ・・・。だんだんとせせこましい自分が焦りはじめてくる。
いかん。何かやるんだ日向! 人生は一瞬。そんなにダラダラしてる暇はないぞ!
説得されてしまったナマケモノ日向はまたもギターを持って池袋に向かった。
前回演奏した公園についてビックリ。
バンドがいる。それもアンプを使って結構大音量でやってる。
公園の一番端まで行ってみたが全然駄目。バンドの音以外何も聞こえない状態だ。
これは負けだ。電気の力に負けた。ああ俺も昔は原宿ホコ天でたまにやったなあ。
と思い出しつつ撤退を決意。
しかし、一番目立つところでしかも人がかなり通る場所だったのだが、見ている人は意外に
少ない。改めて路上ライブの難しさを感じた。あれがもう少し位置をずらしたりするだけで
全然反応が違ったりするんだろうな。
そのまま帰ろうかと思ったが、それもフガイナイという事でまたまた新宿へ向かった。
おじさん頑張れよ!
新宿2丁目交差点。いつもの場所。今日は信号待ちの人が一瞬立ち止まって見ていったりしてくれた。
時間がいつもより早めだったせいか、あるいは少しは慣れてきたからか、ちょっとだけ足を止める人が
数人いたような気がする。だが基本は一人。反応は無に等しい。
そこへホームレスの(であろう)おじさんがヒョコヒョコっと現れ、目の前に設置してあるごみ箱をゴソゴソ。
なにか収穫して私の前を通り過ぎる際、嬉しそうにニコニコ笑って手を何度も上げてくれた。
「よう。がんばれよ」ってな感じだろう。
私にとって初めての見物人の反応である。おじさんそのまま何処かへ去っていったが、私はおじさんの
あの人なつっこい、真っ黒な笑顔を忘れないだろう。あの真っ黄色の歯も。
ありがとうおじさん! おじさんも頑張れよ!!