仕事帰り、終電で家に帰る途中、前方に転がっているおっさんが見えた。 おっさんは自転車と一緒に転がっていた。 起き上がろうとしているのだが、なかなかうまくいかず、アタマを地面に擦ってた。 どう見ても「本日、終わってしまった酔っ払い」だ。
近くに寄ってみると、結構良い自転車のようだった。 ・・・おいおい 良いのを買ったじゃないか。
「だいじょうぶですか?」と声をかけると、ポケットからセブンスターと携帯電話を ポトポト落としながら起き上がり、 「だいじょーぶ だいじょーぶ ありがとうねー ありがとうねー」 と言いながら、落としたタバコ、携帯を拾ってる。
すげぇ。おっさん起きあがれたぞ。 自分の経験上、酔っ払いとはいえ、他人から声をかけられると多少はしっかりするものである。
しかし、倒れた自転車を起こすまでの平衡感覚は無さそうだったので、起こしてあげた。
「危ないから、ゆっくり自転車ひいて帰ってくださいね。」 というと、 「ありがとーねー ありがとーねー」 とかろうじて答えていた。
あぶないなぁ、とは思いながら、自分はその場を去り、家に向かった。 (しばらく後ろを振り返って確認したが、かろうじて歩いていたようだ) おまわりさんでも通りかかれば、"ちょっと行ってあげてくれ" とお願いしたのだが。
ま、今日は比較的暖かかったし、もし次に倒れて寝てしまっても、打ち所さえ 悪くなければ何とかなるだろう。 | |